こんばんは。副院長の森豊和です。
下の写真は、当院の看護師が学会発表のために制作した貼りだし資料です。
笑いは心と体によい影響をもたらすといいます。
顔の表情を動かしてスマイルの形をつくるだけでも、心と体のストレスを逃がすはたらきがあるそうです。
一説に、統合失調症の患者さまが、何も面白いことがないのに笑う(空笑といいます)のは、少しでもストレスを減らそうとする防衛反応だと。
おかしくないのに笑うときってありますよね。気まずい時に浮かべる愛想笑い、うれしかったり感動したときの笑み。逆にあまりに酷いことが起こったときに笑い出すことも。
映画などで、恐ろしいことや哀しいことがあったときに登場人物が笑いだし、それを見た他の人が「気でも狂ったか?」という。それは少し違って。本当に狂ってしまわないために、ストレスを減らすために笑っているのだと思います。
コメディー映画「ミスター・ビーン」で、ミスター・ビーンが起こす大騒動で破産してしまった男性が、人生に絶望して茫然とたたずむシーン。彼の傍らでミスター・ビーンは子守唄のようにやさしくビートルズ「イエスタディ」を歌い上げます。
「昨日(イエスタディ)は他人事のように思えた人生のトラブル。僕は今、その渦中にある」
「いや、お前のせいだろ!」って、このシーンは笑えるのですが、同時にとても哀しくて、どこかやさしく感じました。注意深く差し出される笑いやユーモアには人の心を癒すはたらきがあるのかもしれません。
映画と音楽と笑いつながりでもうひとつ。
全世界で大ヒット中の映画「ボヘミアン・ラプソディ」。イギリスの国民的バンドQUEENを題材にしていますが、そのタイトルは言わずと知れた彼らの代表曲からです。
「ボヘミアン・ラプソディ」はヴォーカリストのフレディー・マーキュリーの自作曲。ヨーロッパの伝統音楽の形式を破壊し、徹底的に茶化し、笑い飛ばすかのように生み出された名曲。この曲はインド系イギリス人であるフレディ―にしか作りえなかったといいます。
有色人種であることでつらい目に遭うことも多かったであろうフレディ―には、他の作曲家のように、ヨーロッパの伝統に対して敬意を払う義理はなかったはずです。
だからこそ伝統的な作曲法をバラバラに解体し、「殺人の罪で神に罰せられる」という哀しい歌詞を乗せ、さらに騒々しい演奏で仕上げるという暴挙に出られた。
そもそもQUEENというバンド自体、デビュー時、本国イギリスでは評論家にけちょんけちょんに叩かれていたそうです。極東の国、日本の若者など、一部に支持されていたくらいで。それが今では国民的バンドとして愛され、世界中で受け入れられ、人々を楽しませ続けている。
注意深く差し出される笑いやユーモアには人の心を癒すはたらきがあるのだと思います。
QUEEN "Bohemian Rhapsody" on spotfy
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この季節、インフルエンザもですが、ノロウイルスも注意が必要です。
感染症予防の基本は手洗い。写真は当院看護師が書いたもの。かわいいでしょう?
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