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  • 2023.11.05

べえだ星 院南弘樹個展 クロード・リュッツ - 副院長より23

 少しずつ朝晩冷える日が増えてきて、冬支度が必要な季節ですね。副院長の森豊和です。今回も芸術について書かせて下さい。JR四日市駅近くのギャラリー「クロード・リュッツ」へ院南弘樹さんの個展を見に行ってきました。6200光年離れた「べえだ星」に住む生き物を、絵画やフィギュアで再現した作品展。伊勢新聞の記事と、とにかく写真を見てください。
 


 彼の無意識が繋がった先に広がっていた世界は、私にとっても馴染みがあるものでした。この生き物たちは実在すると、私も思います。
 

 来週11/11-12の土日も開催されていて、展示されている絵画やフィギュア、ポストカード、シャツ、バッグなどのグッズは全て購入できるようです。さらに、塗り絵をしたり、フィギュアの色付けをして、完成した品を持ち帰ることもできます。私も購入したので、外来診察室などに飾るつもりです。
 

 一つ一つ個性の強いべえだ星人。できたら触りこごちの良い素材でカプセルトイ等にして欲しいです。工夫されたギミックもあって、例えば、大きなフィギュアに、小さなフィギュアをかけたり、磁石でくっつけたりして、身を寄せ合うさまを演出できたりします。これは人形のパズルとして知育玩具にできそうですし、曼荼羅パズルの様な絵画は、そのままジグゾーパズルにしても楽しそう。どこかのおもちゃ会社が商品化してくれないものでしょうか。


 そして、何より、べえだ星人たちは、例えばクトゥルフ神話の神々や、それこそ世界各地の創世神話の神々と比べても、同等の強度を持った個性に思えます。実際、中部現展で東海テレビ放送賞となったという新作絵画「ホワイトホール」は、べえだ星の生命が生まれ出る様を描いていて、これはまさに新しい創世神話です。様々な絵画やフィギュアは、べえだ星の生命の発展と進化を表しているかのよう。
 

 こういった世界は院南さんの脳内だけでなく、気づいていないだけで、私たちにも、芸術的才能や知的能力にかかわらず、全ての人の脳内にあります。


 院南さんは長年、支援学校の教員をされていました。ここからは私の推測でしかないのですが、院南さんを慕う子どもたち一人一人の脳内にある宇宙も、べえだ星やその近縁の惑星につながっていて、インスピレーションになったのではないでしょうか。

 そして、さらに余談ですが、「べえだ星」の生き物たちに私がデジャブを感じた理由の一つは、私の代わりに、あっかんべえをしてくれていること、かもしれません。

 この世界では、どこまでいっても、弱者が、マイノリティが犠牲になりがちです。べえだ星人たちのようなフリークス、可愛い、けれど立場の弱い子どもたち、何らかのハンディキャップを持つ人々、挙げればキリがない。往々にして、社会のシステムが滞りなく運行されるためという大義名分によって弱者の被害は黙殺される。私の手の届く範囲では、そういった差別や不正は無くしていきたい。でもキリがない。

 だから、私の代わりに、あっかんべえ、してくれるべえだ星人たちは、心強いともだちなんです。
 
 少しずつ朝晩冷える日が増えてきて、冬支度が必要な季節ですね。副院長の森豊和です。今回も芸術について書かせて下さい。JR四日市駅近くのギャラリー「クロード・リュッツ」へ院南弘樹さんの個展を見に行ってきました。6200光年離れた「べえだ星」に住む生き物を、絵画やフィギュアで再現した作品展。伊勢新聞の記事と、とにかく写真を見てください。
 


 彼の無意識が繋がった先に広がっていた世界は、私にとっても馴染みがあるものでした。この生き物たちは実在すると、私も思います。
 

 来週11/11-12の土日も開催されていて、展示されている絵画やフィギュア、ポストカード、シャツ、バッグなどのグッズは全て購入できるようです。さらに、塗り絵をしたり、フィギュアの色付けをして、完成した品を持ち帰ることもできます。私も購入したので、外来診察室などに飾るつもりです。
 

 一つ一つ個性の強いべえだ星人。できたら触りこごちの良い素材でカプセルトイ等にして欲しいです。工夫されたギミックもあって、例えば、大きなフィギュアに、小さなフィギュアをかけたり、磁石でくっつけたりして、身を寄せ合うさまを演出できたりします。これは人形のパズルとして知育玩具にできそうですし、曼荼羅パズルの様な絵画は、そのままジグゾーパズルにしても楽しそう。どこかのおもちゃ会社が商品化してくれないものでしょうか。


 そして、何より、べえだ星人たちは、例えばクトゥルフ神話の神々や、それこそ世界各地の創世神話の神々と比べても、同等の強度を持った個性に思えます。実際、中部現展で東海テレビ放送賞となったという新作絵画「ホワイトホール」は、べえだ星の生命が生まれ出る様を描いていて、これはまさに新しい創世神話です。様々な絵画やフィギュアは、べえだ星の生命の発展と進化を表しているかのよう。
 

 こういった世界は院南さんの脳内だけでなく、気づいていないだけで、私たちにも、芸術的才能や知的能力にかかわらず、全ての人の脳内にあります。


 院南さんは長年、支援学校の教員をされていました。ここからは私の推測でしかないのですが、院南さんを慕う子どもたち一人一人の脳内にある宇宙も、べえだ星やその近縁の惑星につながっていて、インスピレーションになったのではないでしょうか。

 そして、さらに余談ですが、「べえだ星」の生き物たちに私がデジャブを感じた理由の一つは、私の代わりに、あっかんべえをしてくれていること、かもしれません。

 この世界では、どこまでいっても、弱者が、マイノリティが犠牲になりがちです。べえだ星人たちのようなフリークス、可愛い、けれど立場の弱い子どもたち、何らかのハンディキャップを持つ人々、挙げればキリがない。往々にして、社会のシステムが滞りなく運行されるためという大義名分によって弱者の被害は黙殺される。私の手の届く範囲では、そういった差別や不正は無くしていきたい。でもキリがない。

 だから、私の代わりに、あっかんべえ、してくれるべえだ星人たちは、心強いともだちなんです。