お知らせ

北勢病院homeお知らせ 〉 くわとくのお野菜 - 副院長より9

  • 2020.08.18

くわとくのお野菜 - 副院長より9

副院長の森豊和です。皆さんお久しぶりです。
梅雨が明けたとたん、とんでもない暑さが続いていますね。
いかがお過ごしでしょうか。

写真は、くわな特別支援学校のお子さんが収穫したミニトマトです。
太陽の甘さがして、とてもフルーティーです。



特別支援学校のすぐ北にある就労継続支援B型事業所「しおさい」が運営しているカフェ「メープルガーデン」でくわとくで採れた野菜が売られています。
(以前こちらの記事で紹介した場所から移転されました)

「メープルガーデン」では400円程度でドリンクに豪華なセットメニューがついてきて、お昼ご飯にちょうどよいです。しかも、どんなドリンクを頼んでも2杯目からはホットコーヒーおかわり自由です。

お店では他にもいろいろな雑貨が売られています。しおさいで買った布マスクが使いやすくて私はプライベートで愛用しています。他に例えば多度にあるB型事業所「こんぱす」で作られた竹細工もあって、竹笛や竹笛など販売されています。お子さんへのお土産にいかがでしょうか。通販のページもありました。



最後に本日の1曲代わりにプレイリストを。
作家、村上春樹がDJする村上RADIO。5月にオンエアされたステイホームスペシャルの楽曲でストリーミング・サービスにあるものをまとめたプレイリストです。

村上RADIO ステイホームスペシャル spotify playlist
(パソコンで無料で聴けますが15分ごとにCMが流れます)

ラジオで実際に村上さんが話した内容は公式サイトに文字起こしされています。
選曲はバート・バカラックやブルース・スプリングスティーン、ブライアン・ウィルソン等、村上春樹を読んでいる人なら、ああ、一番大切な曲たちをチョイスしてきたなと納得できる内容です。

そういえば、つい先日、15日の放送では、村上さん、故人である河合隼雄先生の話をされていました。文化庁長官でユングの心理学を日本で広めた方です。

その内容を引用すると

僕の好きな言葉に「愛は消えても、親切は残る」というのがあります。(中略)
――。 僕の大好きな、亡くなった河合隼雄先生は「男女間のロマンティック・ラブなんて、そんなもん、すぐに消えるんですわ」とあっさりおっしゃっていました。でも愛が消えた後でも、親切心は残ります。



一方で。
私が好きな精神科医の中井久夫先生の著書、「看護のための精神医学」(表現は平易だけど、内容自体は難しくて、実は学者向けの内容です)には、

「急激に人を好きになるのは危ない。少しずつ気になって、気が付いたらそばにあなたが居た、くらいがちょうどいい」

という内容が書いてありました。中井先生は、うつ病や統合失調症の回復も、急によくなりすぎるのは良くない。急によくなると、またすぐ悪いぶり返しが来るという文脈で書かれていました。

それが風邪でも、うつ病でも、よくなったからとすぐ頑張るのはよくないですよね。念のためもう少しだけ休む。「急がば回れ」。


最後に、と書いてから、かなり多く書き足してしまいました。
せっかくだから本当の最後の曲を載せます。
アメリカのロックバンドR.E.M.の「イミテーション・オブ・ライフ」
90年代、U2が世界で最もビッグなバンドなら、R.E.M.は世界で最も重要なロックバンドと呼ばれていました。2000年代以降もブルース・スプリングスティーンらとともに、有権者に「投票に行こう」と呼びかけるツアーを行ったりしています。U2同様にとても政治的、社会的なロックバンドです。

でも、そういうこととは関係なく、この曲は私が学生時代にすごく励まされた曲で、村上さんも著書「村上ソングズ」で取り上げ、折に触れて一番好きなバンドの一つと語っています。




リフレインする歌詞で「No one can see you cry」という一節があります。
これは、「お前のことなんて誰も気にかけやしない」「誰もお前を助けてくれない」という意味なのか。最初はそう思いました。

よくよく全体の歌詞を聴き、様々に場面が移り変わる夢の世界のような描写を、その雰囲気を感じると、そうではないと思いました。

R.E.M.は絶望的な状況でサバイブすることを常に歌い続けてきました。だからこの曲はこう歌っていると私は感じています。

誰も君を気にかけていないかもしれない。でも僕は君が泣いているのを知っている。君が頑張っているのを知っている。僕は君のそばにいる。

こう書くと、陳腐で当たり前のことに聞こえますけど、それが一番難しくて、一番大切なことだと思っています。



 
副院長の森豊和です。皆さんお久しぶりです。
梅雨が明けたとたん、とんでもない暑さが続いていますね。
いかがお過ごしでしょうか。

写真は、くわな特別支援学校のお子さんが収穫したミニトマトです。
太陽の甘さがして、とてもフルーティーです。



特別支援学校のすぐ北にある就労継続支援B型事業所「しおさい」が運営しているカフェ「メープルガーデン」でくわとくで採れた野菜が売られています。
(以前こちらの記事で紹介した場所から移転されました)

「メープルガーデン」では400円程度でドリンクに豪華なセットメニューがついてきて、お昼ご飯にちょうどよいです。しかも、どんなドリンクを頼んでも2杯目からはホットコーヒーおかわり自由です。

お店では他にもいろいろな雑貨が売られています。しおさいで買った布マスクが使いやすくて私はプライベートで愛用しています。他に例えば多度にあるB型事業所「こんぱす」で作られた竹細工もあって、竹笛や竹笛など販売されています。お子さんへのお土産にいかがでしょうか。通販のページもありました。



最後に本日の1曲代わりにプレイリストを。
作家、村上春樹がDJする村上RADIO。5月にオンエアされたステイホームスペシャルの楽曲でストリーミング・サービスにあるものをまとめたプレイリストです。

村上RADIO ステイホームスペシャル spotify playlist
(パソコンで無料で聴けますが15分ごとにCMが流れます)

ラジオで実際に村上さんが話した内容は公式サイトに文字起こしされています。
選曲はバート・バカラックやブルース・スプリングスティーン、ブライアン・ウィルソン等、村上春樹を読んでいる人なら、ああ、一番大切な曲たちをチョイスしてきたなと納得できる内容です。

そういえば、つい先日、15日の放送では、村上さん、故人である河合隼雄先生の話をされていました。文化庁長官でユングの心理学を日本で広めた方です。

その内容を引用すると

僕の好きな言葉に「愛は消えても、親切は残る」というのがあります。(中略)
――。 僕の大好きな、亡くなった河合隼雄先生は「男女間のロマンティック・ラブなんて、そんなもん、すぐに消えるんですわ」とあっさりおっしゃっていました。でも愛が消えた後でも、親切心は残ります。



一方で。
私が好きな精神科医の中井久夫先生の著書、「看護のための精神医学」(表現は平易だけど、内容自体は難しくて、実は学者向けの内容です)には、

「急激に人を好きになるのは危ない。少しずつ気になって、気が付いたらそばにあなたが居た、くらいがちょうどいい」

という内容が書いてありました。中井先生は、うつ病や統合失調症の回復も、急によくなりすぎるのは良くない。急によくなると、またすぐ悪いぶり返しが来るという文脈で書かれていました。

それが風邪でも、うつ病でも、よくなったからとすぐ頑張るのはよくないですよね。念のためもう少しだけ休む。「急がば回れ」。


最後に、と書いてから、かなり多く書き足してしまいました。
せっかくだから本当の最後の曲を載せます。
アメリカのロックバンドR.E.M.の「イミテーション・オブ・ライフ」
90年代、U2が世界で最もビッグなバンドなら、R.E.M.は世界で最も重要なロックバンドと呼ばれていました。2000年代以降もブルース・スプリングスティーンらとともに、有権者に「投票に行こう」と呼びかけるツアーを行ったりしています。U2同様にとても政治的、社会的なロックバンドです。

でも、そういうこととは関係なく、この曲は私が学生時代にすごく励まされた曲で、村上さんも著書「村上ソングズ」で取り上げ、折に触れて一番好きなバンドの一つと語っています。




リフレインする歌詞で「No one can see you cry」という一節があります。
これは、「お前のことなんて誰も気にかけやしない」「誰もお前を助けてくれない」という意味なのか。最初はそう思いました。

よくよく全体の歌詞を聴き、様々に場面が移り変わる夢の世界のような描写を、その雰囲気を感じると、そうではないと思いました。

R.E.M.は絶望的な状況でサバイブすることを常に歌い続けてきました。だからこの曲はこう歌っていると私は感じています。

誰も君を気にかけていないかもしれない。でも僕は君が泣いているのを知っている。君が頑張っているのを知っている。僕は君のそばにいる。

こう書くと、陳腐で当たり前のことに聞こえますけど、それが一番難しくて、一番大切なことだと思っています。